公開するより先に書いとけよ、という案件ですが (いくつかミスに気づけたはず)。
先週公開したshinyアプリにおける成績計算の補足です。
プロ野球個人成績 1, 2軍比較 with Shiny
https://snin-17.shinyapps.io/farm_stats_app/
ツイッターにも書きましたが、年度間の重み付け平均を取る時にwOBAとBABIP/DERの重み付けをミスっていたのを修正しました。結果的にはほとんど変わってないはずですが、反省します。
DERについて。
失策が考慮に入っていないのはデフォルトのページに書きましたが、記述が足りないようでした。データ取得 ~ 指標計算用のコードは結構昔に書いたものを流用していて、失策が入ってないのは覚えてたんですが、見直すと他にも書いといた方が良さそうなものがありました。
NPB公式の投手成績にはあまり細かい成績はありません。
http://npb.jp/bis/2017/stats/idp1_c.html
計算としては分母は対戦打者数から引けるだけ引いて、
(H - HR) / (TBF - BB - IBB - HBP - K - HR)
見ての通り、失策だけでなく犠打などが考慮に入っていません。おそらく、このデータセットの中で選手間の相対的な比較をする分にははそれほど問題ないはずですが、少し投手タイプごとのバイアスも発生しているはずです。具体的には、GB率 (失策の発生しやすさと少し関連するはず) や、その投手がランナーを貯めやすいかどうか、あたりが原因になりうると思います。
wOBAについて。
投手成績と同じく、NPB公式には打撃成績
http://npb.jp/bis/2017/stats/idb1_c.html
にも失策出塁がありません。
wOBAの計算に関して、Refタブで引用していた1.02 http://1point02.jp/op/gnav/glossary/discription/dis_bs_woba.html
では失策出塁への係数も書かれていますが、当然それはこのアプリの計算では考慮していません。
FGの計算式
http://www.fangraphs.com/library/offense/woba/
では失策出塁は無視しても良さそうだったので (注1)、書かなくてもいいかと思ってたんですが、wOBAを導入したThe Book (pp. 30) を見直してみたら失策出塁も入っていました。確かに計算できるなら考慮した方が自然な気がします。
というわけで、DERは選手間で比較する分にはたぶんそんなに問題ない、wOBAは概ね整合しているぐらいの感じだと思います。個人の趣味でやっている事ということで、大目に見てやってください。
<注>
注1. ちゃんと考えると、この場合FGは失策を無視した後にスケールを合わせているので、失策を考慮してスケールを合わせている1.02から失策を除くのは全く違うことですが。
<参考>
Tango, Lichtman, and Dolphin, The Book , 2007, Potomac Books.
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