2017年11月3日金曜日

打順ごとの打撃結果@MLB

今年は例年に増して打順の話が多かった気がしますが (ちな鷲並感)、打順の各スポットにおける重要性の相対的な違いについてはこれまでにも色々調べられています。

 2番打者には強打者を… よく聞く説の根拠とは?
 https://full-count.jp/2015/08/07/post15318/

アメリカでも基本的にはThe Book (2007) の議論がベースになっているようです。

 Sky Kalkman, Optimizing Your Lineup By The Book, 2009.
 https://www.beyondtheboxscore.com/2009/3/17/795946/optimizing-your-lineup-by

 Bill Petti, Optimizing Batting Orders Across MLB, 2012.
 https://www.fangraphs.com/blogs/are-league-wide-batting-orders-more-optimized/

 Neil Paine, The Spot in MLB Lineups Where Managers Are Still Ignoring Sabermetrics, 2014.
 https://fivethirtyeight.com/features/the-spot-in-mlb-lineups-where-managers-are-still-ignoring-sabermetrics/

The Bookが提示した観点から見て打順が改善しているのかどうか、というような記事もいくつか出ていますが、あまり変わっていない、という感じのようです。

もうちょっと最近の結果を、ということで1980から2016で代表的な打撃成績を計算してみました。投手は除いていません。データはRetrosheetから計算しています。

まずwOBA。全体の数値を青の線で示しています。

基本的にどの打順でも全体の成績変化とよく一致した変化を示しています。全体のトレンドを示さずに一部の打順の成績だけをみると、おかしな結論を簡単にひねり出すことができそうです。

全体として打順ごとの成績と全体の成績との差をみると、これまでに確認されているように、大きくは変わっていないようです。あえて言うなら、3番 (と4番?) が90年代中盤から00年代中盤より下がってきていますが、これはおそらく、お薬的な事情で、どうかしているような成績を残す選手が減ったためとでしょう。

各打順の間の相対的なバランスでみると多少変化がありそうので、90年代終わりから00年代初頭の結果から実証的に示されているような知見は、最近の結果で追試してみる価値があるかもしれません。

チーム間での成績のばらつきの大きさを調べるために、チームごとに各打順のwOBAを計算し、そのSDを計算してみました。

9番打者で高いのは、投手が含まれるためでしょう。他はどの打順でもSDは似たようなもののようですが、ここでも90年代中盤から00年代中盤の3番、4番は特徴がありそうです。

2番に注目すると80年代にチーム間でのwOBAの差が大きかったようです。wOBAの数値自体も80年代中頃は2番打者の傾向としては高めだったようで、調べてみるとちょっと面白いかもしれません。

他の打撃成績も貼っておきます。打順別という観点では、それほど注目すべき傾向は今のところ無さそうな気がします。






<参考>
Tango, Lichtman, and Dolphin, The Book , 2007, Potomac Books.

http://retrosheet.org

作図にはそれっぽさを出すためにggthemesのtheme_fivethirtyeight()を使用。
https://github.com/jrnold/ggthemes

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